メセナ活動

メセナ活動 榛名美術記念公園

ハルナグループ創業者青木清志が生前、美術・芸術など文化の振興に関連する事業を行ない社会に貢献し美術文化の発展に寄与することを目的に、2020年4月に創立しました。

館内には、ピカソのリトグラフや彫刻などおよそ80点が展示され、庭にはゼウス像など約10点の彫刻作品が並んでいます。

所在地  :
〒370-3342 群馬県高崎市下室田町2700-1
電話番号 :
027-374-8084
開園日  :
水曜、金曜、土曜
(ただし、祝日に当たる場合は休館となります)
開園時間 :
4~9月 11:00〜17:00
10~3月 11:00〜16:00
入園料  :
無料
事前予約は不要です。いつでもご自由に来園ください。
敷地内に駐車場あります。
皆様のご来園、心よりお待ちしています。


ご案内図
ウェブサイト
https://haruna-kinen.co.jp/



榛名美術記念公園 創設者の言葉

歴史に視る美術の凄さ

遥かに半世紀を超えておりますが、若き時代の体験の一つにロンドンの英国博物館での遭遇があります。

ロンドンはまだ肌寒い季節でした。訪れた博物館の中に入り、真っ直ぐ古代ギリシャ彫刻のフロアへ進みました。一面を眺めていますと、一つの列に目がとまり、波を打つ優美な裸体像の男性がすくっと立ち、遠くを望んでいる姿が観えました。近づいて観ると、黄白色の大理石は長い時間を経てもなお優雅で、つい足が止まったのです。

ラベルを読むと、紀元前500年頃の古代ギリシャ“クラシック”時代とあり、「これだ!」と一人頷き、その裸体像に釘付けになりました。それはそれは、この時代の崇高な様式に感嘆するばかりでした。
ふと、横に並ぶ哲学者プラトンの胸像に目がいき、そのことにいまだ深い印象が残っております。

“クラシック” 時代が後の西洋美の古典になるゆえ、深く頷けるものでした。

列の並びに、紀元前600年頃の「アルカイック」時代の彫刻があり、その先に紀元前300年頃の「ヘレニズム」時代へ続き、この二つの時代を比べてみると、私が最もギリシャ精神を感じるのは、“クラシック”時代の彫刻でした。

ただ、残念なことに多くの戦争で、この時代の一点だけの青銅製彫刻のほとんどは失われておりました。

古代ローマは、紀元前2世紀にギリシャを支配したとき、ギリシャの芸術家たちの多くをローマに移らせ、大理石のオリジナル彫刻が生まれております。

ローマはギリシャを支配しましたが、かくして、ギリシャ精神はみごとに受け継がれ、今日に至ります。

あの英国博物館での閃きが、私の美意識となりました。爾来、美術に関心を深める日々となり、「榛名美術公園」の創設に至りましたことを、ここにご報告申し上げる次第です。

青木清志




館長あいさつ

創設者の青木清志は1933年6月27日に中国北京で生まれました。祖父も父も医者で、兄も慶応大学病院の医者となりました。

青木は高校、大学と演劇に夢中になり舞台演出の道を目指し親の支援も受けられない中、寝る間も惜しんでアルバイトと稽古の日々で体を壊し肺結核になり長期入院します。

その後、演劇の道を諦め、商社に就職。世界中を飛び回り、医療機器やダイヤモンドの輸入販売を手掛けました。
英国に出張中にペットボトルのミネラルウォーター工場を視察したことなどがきっかけで日本の恵まれた自然、水を活かした飲料ビジネスを考案。

1996年に群馬県榛名山の麓にペットボトルの清涼飲料製造販売のハルナビバレッジ株式会社を創業。当時まだ缶飲料が主流の中、安全、安心、簡便性に優れるペットボトル飲料の生産と人財教育に力を注ぎ、創業10年で売上高100億円を超えるほど成長を続けました。2009年に私、青木麻生が経営のバトンを引き継ぎ、青木は社会貢献活動とアートや芸術など地域文化の発展のため、2020年4月以前自宅として住んでいた榛名山の麓近くに一般社団法人榛名美術を創設。

これまで世界中から収集した美術作品や古代ギリシア時代の彫刻を緑に囲まれた自然環境のもとで皆様に無料で開放、見学できるようにいたしました。
青木は特に、ピカソの絵が好きで20年かけこつこつとオークションに参加してはピカソの作品を集めておりました。

2023年7月に90年の人生に幕を閉じましたが、青木の遺志を継ぎ、これからも榛名美術館の運営を続けてまいりますので今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

青木麻生